日本写真印刷とソフトバンク
「魔の10月」が終わり世界的に株価は上昇基調に転じた。これまでNY株の傘の中に包まれていた東京市場であるが、11月はこれまでに比べると多少は自立性を取り戻してきた。10月に個人の買い越しが9927億円と1兆円に迫った。外人投資家も久しぶりに個人投資家の動きを注目し始めた。相場は11月から中間反騰にはいったが、上昇トレンドは新年1月まで続くだろう。今回は当面の注目株について考えてみよう。(大和三山)
日本写真印刷(7915)
先に2008年9月中間期と2009年3月期の決算予想を増額した。2009年3月期は次の通り。
売上1250億円→1350億円、営業利益180億円→230億円、経常益185億円→230億円。
同社の海外売上比率は50%超であるが円高は業績に影響が出ていない希有の企業の1つである。製品価格は毎期1桁の下落をしているが、それを生産性の向上で吸収している。
向こう数年は製品に需要の裾野が広がり、ハイテク株のリード役になるだろう。
・産業資材が+42.6%。ノートPCや携帯電話向けの加飾フィルムが好調であった。特に先行きPCの需要の主力はノートPCに移行している。同社の強みはPC分野でシェアがトップのヒューレット・パッカードとの関係が密接なことである。デル、台湾エーサー、東芝向けも好調。
・第2の柱である電子部門であるタッチパネルの需要が携帯電話、携帯端末、携帯ゲーム向けに飛躍的に伸びていることである。中間期は2.4倍になった。10月からは増設分が稼動し2008年3月末比で2.3倍になる。
・タッチパネル方式の携帯電話が年末商戦向けに急増しノキア、LG、三星電子、モトローラ、ソニーエリクソンなど大手すべてに納入が始まった。ノキアに次ぐ顧客は携帯端末のブラックベリーである。
・2009年にはノートPC向けに大型のタッチパネルの搭載が始まる。来年度の設備投資はタッチパネルの増産投資が中心になる。
ソフトバンク(9984)
株価は高値からほぼ10分の1になった。10月29日に2008年9月中間期の決算を発表したが、株価は2日間連続のストップ高になった。同社株がITバブル崩壊後、2002年11月には276円まで売り込まれたが、その後は東京市場の立ち直りの先導役になり2005年5月には5220円と18.9倍になった。今回もその当時の連想が働いている。
・2008年9月中間期は次の通り。
売上1兆3800億円→1兆3289億円、経常益1200億円→1173億円。
ほぼ四季報の予想通りになった。
・同社については負債の大きいことが問題になるが、携帯電話事業をボーダフォンから買収したときの借り入れの返済リスクが、最近の金融情勢の緊迫化で懸念されてきた。今回の決算説明会で孫社長は「10年後には携帯事業買収の借入残はゼロになる」と自信を示した。
・2009年3月期のフリーキャッシュフロー(営業キャッシュフロー+投資キャッシュフロー)の予想は1400億円、2010年3月期は2500億円を見込んでいる。
・これまで数字での予想は公表していなかったが、中間期から公表することに変更した。設備投資額は今期2765億円→2200億円と減少に転じる。
・2008年9月中間期も純増シェアはNo1を維持した。
・今回の決算発表を契機に同社への不透明感が消えることを市場は好感した。株価の位置が低いだけに、投資効率は高い。
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